意地悪なキミと恋をします。

邪魔あいつは気になるあいつ







「あんた、優希の彼女なの?」







放課後、私は遊ぼうと誘ってきた先輩と校舎裏で、険悪な雰囲気の中遊んでいる。



「彼女ですけど?」







「ふーん。まぉそれはいいわ。じゃあ、海斗は?」







海斗?なんで海斗?



確かに仲良かった?けど、今は全然話してないし、今になってこの先輩達が海斗のことを出してくる意味がわからなかった。




「海斗は、友達ですけど」







「友達?そんなこと言って、優希と付き合いながら海斗のこともたぶらかしてんじゃないの?」






はぁ!?


そんなことしないし!なに言ってんのこのおばさん!




「そんなことしません…ってゆーか、なんで海斗なんですか?

私達、最近一言も喋ってませんけど」




「は?そんなわけないじゃない。海斗、あんたの話ばっかりするんだから」





海斗が私の話を?


てか、なんでこの先輩さっきから異常に上から目線なわけ。






「いや、でも全く話してないんで…



ってゆーか、先輩は海斗が好きなんですか?ヤキモチですか?」




わざと挑発するような言い方をする。





「うるさい!!嘘ついてんじゃないわよ!」







先輩は、思いっきり手を振りかぶって、私にめがけて振り落とそうとした。





けど、





「なにやってんの?真美」





久しぶりに聞いた低い声。



優希先輩のものとは違う、落ち着くような、体に響くような。





「な、なにって、海斗こそ、どーしたのよ」





先輩が振り上げた手を海斗が掴んで止めてくれていた。






「先に俺が聞いてんだけど…」





「〜っ!」




先輩は海斗が好きなんだろう。



海斗のまっすぐな目に顔を赤くして、でも泣きそうで。




「だっ、だって…海斗がこの子のために…」




海斗が、私のために?




「この子のために、優希のファンと次から次へとデートして…必死になって自分に向かせようとしてるじゃん!」









うそ…


海斗が?私のために?





海斗をパッと見ると、一瞬、ぱちっと目が合う。




「それ…言わなくていいやつだから」





だけどすぐ海斗は気まずそうに顔を背けた。





「なんで!?この子がファン達にいじめられないように海斗は必死になってんのに、なんでこの子はのうのうと優希と幸せそうにしてんのよ!」










うそ…。








「…海斗?…本当なの…?」








「もういいから…真美…行くぞ」






「海斗!!ま、待って!…海斗!」






そのまま去っていった海斗と真美さん…とまぁその仲間達の後ろ姿を私はただ立ち尽くして見ていることしかできなかった。



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