片道のRe:
現在の私/幸福行路
「きゃー! リノー!」

「ワカ! ちょー久しぶりッ!」


都内某所、眠らない街、とある雑居ビルの7階。
キャンドルが揺れるお洒落なカフェで、私たちは待ち合わせをしていた。

街の喧騒から少し離れたこの場所には、煩いネオンも人の波も寄り付かない。


「しっかしワカったら、本当女らしくなったよねぇ!」

「いやいや、さすがにこの歳で『おとこ女』って呼ばれてるようじゃアウトでしょ」

「確かに。あははッ」


リノは元々童顔だからだろうか。
未だに中学の頃の面影があり、まるでタイムスリップしたかのような気分にさせられる。


先輩をSNSで見つけてから数週間後、同じSNSを通じて、リノから突然『ごはんに行こう』とメッセージが届いた。

それまでは一切、連絡も取っていなかったというのに。
唐突なところは変わってないなぁなんて、ちょっぴり嬉しく思う。

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