★MyHomeの秘密★♪




あたしが差し出したら、なんて思うだろう?…きっとあたしの気持ちは、一発でバレてしまうだろう。

辞書に挟んでたって、これを見たということはバレてしまう。



だけど、このまま…持ってるわけにもいかない。


それにもしかしたら、凌兄は無くなっていることに気付いてるかもしれない。


そしたら…この写真を探さないはずはない。
彼女との、想い出なんだし。



……挟んでおくことにした。





あたしは辞書を一度抱きしめてから…、ドアを開けた。




「借りっ放しでごめんなさい」



でもそのおかげで、最後に話せた。


凌兄は辞書を少し眺めてから受け取った。



――あたしの想いも…こっそり連れてって――

凌兄の手に渡っていく、辞書を眺めながら願った。



「…サンキュ」


「あっ!凌兄……っ」


凌兄が自分の部屋に行こうとしたのを、あたしは無意識に呼び止めていた。


あ……


凌兄は足を止め、何?って顔で見つめてくる。




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