桜の妖精に恋
8月 夏祭り前日

夏休みに入り、父さんと母さんが話し合って翼は父さんが引き取ることになった。

翼『はぁぁぁぁ?マジかよ!!』

「おっしゃ?!!弱いな翼は(^^)」

翼『くそっ!もう一回だ!』

俺たちはゲームをやって過ごしている。お昼になり、冷蔵庫が空っぽで外に出ることになって翼と買いに行くことになった。

翼・陽太『「あちぃいいぃ(~_~;)」』

「夜行性の俺には太陽は天敵!!」

翼『さすが陽太だな!最近、サッカーやってねぇからやりてぇな。そうだ!ちょっとスポーツ用品店行っていいか?』

「ご飯はどうするんだよ(ー ー;)」

お昼食べた後、スポーツ用品店に連れてこられた。サッカー用品だけで1時間も付き合わされた。

「翼?まだかよ(ー ー;)」

翼『もうちょっと待って!ちょっと迷ってんだよ!』

「はぁ…ここに要2号がいる…。はぁ…。」

チェリー『要くんと来たことあるの?』

「来たことあるのレベルじゃないぜ?毎回毎回、俺を引きずりながら連れて来られる場所だよ(ー ー;)」

チェリー『要くんは陽太と買い物するのが好きなんだよ(^^)』

「いい迷惑だ(ー ー;)」

『それは俺の話ですか?』

いきなり俺の頭上から声がし、顔を上げるとそこには要が立っていた。

「要!何でお前ここに…。」

要『練習用のTシャツを買いに来たんですよ。貴方こそ何故ここに?』

「翼に付き合わされてるんだよ。」

翼『あれ!?要じゃん!』

翼は要と会うなり、話をしているうちに意気投合した。俺は2人に任せて帰ろうとしたが、要に捕獲され、連れまわされた。

「はぁぁ?(ー ー;)疲れた。」

翼『なぁなぁ!今週の土曜祭りやるらしいぜ!』

要『本当ですね。じゃあ、木陰も誘ってみんなで行きますか?』

翼『おっ!いいねぇ!』

「あっ俺パスね(^^)!」

俺は即答拒否した。わざわざ人混みに向かうか!俺は家でゴロゴロしたいんだ!

翼『陽太?行こうぜ!』

要『みんなで祭り行くから楽しんじゃないですか!』

「俺に構わず行ってきなよ!俺は家にいる方がいいの!」

俺が祭りを断ると、チェリーが私も俺と祭りに行きたいとバタバタ騒ぎ出した。俺は聞かないふりをした。

翼『え?。行こうぜ祭り!』

「嫌だ!」

要『本当は行きたいんですよね?』

「は?行きたくないの間違いだ!」

チェリー『陽太?陽太?。私も陽太と行きたい。ねぇ、陽太?(● ????ロ????)????』

「あああぁぁぁ?。わかったよ。行けばいいんだろ行けば!!」

結局、騒がしいのが我慢できず祭りに行くことになった。チェリーのワガママには勝てる気がしない…(ー ー;)

翼『よっしゃ!みんなで射的で勝負するぞ!』

要『いいですねー。負けた人は焼きそば奢りってのはどうですか?』

翼『それ!採用!!』

「…(ー ー;)お前らにも勝てる気がしないわ(ー ー;)」

要『何かいいました?』

「いや、何でもないよ…はぁ…。」

あっという間にお祭り前日になってしまった。朝からお昼過ぎてもチェリーが帰って来ないので神社の桜の木まで行ったが、チェリーの姿はなかった。俺は他に心当たりの場所を考えてると、後ろから誰かに抱きつかれた。

『陽太?(*^^*)!!』

「は??!君、誰!?いきなり抱きつくな!」

『酷い!私だよ私、チェリーだよ!』

「は……?ええええー!!」

チェリー『陽太、いきなり大声出さないでよ!!耳がギンギンする。』

「いやいやいや、明らかサイズちげぇだろ!」

チェリー『あ、これ?お祭り行くための人間姿(^ ^)!』

いつものチェリーは手の平サイズだが、今のチェリーは150以上ある、まさに人間サイズ。

「ちょっと、説明しろ!」

チェリー『どうしても、人間の女の子が着てる浴衣を着たくて少し大掛かりな力を使ったの…。』

「じゃあ、その姿他の人にはー。」

チェリー『見えてるよ。』

「見えるんかいっ!!」

チェリーは大掛かりな力を使ってまで、人間の姿で浴衣を着たかったらしい。

「しゃーねぇな!ほら、行くぞ!」

チェリー『えっ?どこに…?』

チェリーの手をとり、俺は商店街へ向かった。

チェリー『ちょっと陽太、どこ行くの?』

「折角人間の姿になったんだ、思いっきり遊ばないと損するだろ!俺がチェリーの相手してやるよ!」

チェリー『本当?やった(*^^*)』

俺らはゲーセンに行き、チェリーと遊んだ。
ゲーセンで遊んだ後はデパートの中に入り、雑貨コーナーにチェリーの目は止まった。

チェリー『これ…可愛い…。』

チェリーは桜のヘアピンを自分の髪につけて鏡を見た後、外して棚へ戻した。

チェリー『さぁ、次行こう!』

「え…。あぁ、じゃあ少し休憩するか。」

俺たちは休憩するため、カフェに入った。チェリーはパフェを食べると凄く幸せそうな顔をした。俺は耐えきれ、トイレに行くと言ってチェリーから離れた。

「あの顔は反則だろ…(*´-`)/| 可愛すぎ…。」

俺は落ち着き、チェリーの所へ戻った後、チェリーを連れて和服店に入った。

チェリー『浴衣、可愛い(*^^*)』

店員『試着もできますよ?』

チェリー『あ、いえ。ただ見てるだけだから。』

「いいじゃん。試着すれば?店員さん!こいつに似合う浴衣はあります?」

店員さんはチェリーを連れて試着室に入って試着を始めた10分後、チェリーが薄桃色のいっぱいの桜の模様が入った浴衣姿で出てきた。

「………。(・Д・)」

チェリー『陽太…?どうしたの?』

「いや…その…」

店員『お客様が凄く素敵で固まってしまったみたいです』

「ち、違う!確かに…似合ってるけど…固まってるわけじゃない。」

店員さんはクスッと笑った。チェリーは少し照れくさそうに鏡をみている。

店員『どうされます?』

チェリー『あ、いえ。試着してみたかっただけなの…』

「じゃあ、これください!」

チェリー『え!?陽太、何で?私、お金ないよ…。』

「いいよ、これは俺が買う。翼のことで色々世話になったからな。」

チェリー『でも…。悪いよ。』

「お礼だからいいんだよ!黙って受け取れ!」

俺は買った浴衣をチェリーに渡した。

店員『とてもいい彼氏彼女さんですね』

「っ!いやいや、付き合ってないんで!!」

店員『クスッ。それは失礼しました。』

店を出た後、神社前でチェリーは妖精の姿に戻り家に帰った。チェリーは家に着くなり浴衣を抱きながら寝てしまった。

プルルルル

『もしもし、二宮です。』

「あっ母さん?陽太だけど…。ちょっとお願いがあるんだ。実はー」


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