桜の妖精に恋

ありのままの自分


あの後、チェリーの押しに勝てず俺の家で暮らすことになった。

チェリー『陽太起きて!学校、遅れるよ!』

「はぁ…」

入学して1週間がたってるのに、チェリーがいる生活に慣れない。

チェリー『今日から私も陽太の学校にー。「くんなっ!」』

冗談じゃない!学校にまで来られたんじゃ、息がつまる。

チェリー『やだやだや〜〜だ!私も行くー』

「あーもうっわかったよ!だから、静かにしろ」

朝から騒がれるのだけは困るが、結局学校に連れて行っても興奮して騒がしかった。

木陰『陽太〜はいよ!今回、なかなか良かったぜ(*^▽^*)』

「まじ?おっサンキュー!」

昨日買ったジャップを受けっとった俺は、早速読み始めようとすると、キャッキャッと猿みたいに鳴いた女子が入ってきた。同じクラスの女子だった。てか、マジうるせっ!

女子a『ねぇ、奈々!私、コークスって言ったんだけど!』
女子b『私もベークスって言ったんだけどー』

奈々『ごめんなさい。売り切れてて…。』

女子a『はぁ?だったら、聞けっつーの!』

女子b『ってことで、これはあんたが勝手に買って来たんだから金は払わないからね!』

うわぁ、最悪な女!1番関わりたくねぇ!
つか、嫌なら嫌って言えよなぁ〜まぁ、おれには関係ないけど。俺が再び漫画に目を向けるとチェリーが俺の肩を叩く。

チェリー『何様よー!最低ね!ねぇ、陽太あの子助けてあげてよ!』

「……。」

何で俺が!?めんどくさい無視無視。てか、こういう時になぜ木陰はいないんだ…。

チェリー『ねぇ!!陽太ってば!!』

「〜っ!!うるせぇなぁ〜。」

クラス全員『えっ?』

あっ!やっちまった!!チェリーを見ると目をキラキラさせてる。

「おい女!その飲み物よこせよ!」
女子a・b『えっ?なっ何するのよ!』

「こいつに金を払わないなら、俺がこいつから買うって言ってんだ!ほらっ!」

奈々『え…?』

「えっ?じゃねーよ!飲み物代だ!あんたもいい子ぶってねぇで嫌なら嫌って言えよな!」

女子a『ちょっと!あんたには関係ないでしょ?』
女子b『そうよ!勝手に話に入ってこないでよ』
女子z『ちょっと!木之本くんになんて口を利いてるのよ!!』

女子y『そうよ!貴方たちがくだらないイジメしてるから木之本くんは止めてるんじゃない』
俺が言い返そうとすると、違う女子たちが俺を守るように前にたった。誰だか知らんけど助かる。

女子a『何なのよ!あんたら!!』

女子z『私達は木之本くんと同じ中学出身よ!木之本くんに何かしたら許さないんだからね』

女子a『ぷっ!あんたらあいつの親衛隊とか?ウケるんですけどー。』

女子b『ねぇ、a!ちょっとみんなの目がヤバくない?この子達以外の男子とかも…。』

女子a『ー!!い、行くわよ!!』

女子a・bは周りの空気を察して教室を出ていった。何か知らんけど、助かった。

「君たちありがとな!助かったよ( ̄∇ ̄)」

女子z・y『そっそんなっ!木之本くんにお礼を言われるようなことは…。』

奈々『あの…ありがとうございます…。』

「えっ?あ、いやっ俺何もしてないから、この子達に言って。じゃあな」

俺は席に戻り漫画をやっと読める。チェリーは相変わらずスッキリした顔してるし。

木陰・要『へぇー、陽太にしては女の子を助けるなんて珍しいじゃん(じゃないですか)。』

「おわぁ!!ったく、お前ら脅かすなよ」

木陰『で?あの子に惚れたのか?』

バシッ!!

木陰『いってえ!!何すんだっ!』

「アホか!興味すらないわ!チェリ…たまたま思ったことが口に出ちまっただけだよ!」

要『まぁ、娯楽好きの陽太が色恋沙汰になるわけありませんよね。しかも鈍いし…』

要はやれやれと飽きれた顔をして、木陰はなぜにお前だけ女子が寄ってくるだの何だのと騒いでいる。いい加減漫画を読ませろ!

放課後、ジャンケンに負けてゴミを捨てに行くことになった。しかも、木陰は知らない女とカラオケ行くって置いてくし今日は厄日だ、昼の女どもが裏校舎にいるとは…。

女子a『あんたのせいで、木之本くんに目を付けられちゃったじゃない!』

奈々『ごめん…。』

またやってるよ…。もう関わるのやめよう…。めんどくさい。

女子b『ごめんじゃないわよ!』

女子a・bは奈々と言う奴のカバンに付いてるお守りストラップを取った。

奈々『やっやめて!それだけは…。お母さんが最後にくれた物なのっ!!』

女子a『はっ?あたしらには関係ないし!』

女子aはストラップを焼却炉に投げようとした。
奈々『やめてーー!!』

「ちっ!」

女子aがストラップを手放した直後、俺は全力で受け止めた。

女子a『えっ!!きの…もとくん』

女子b『こ…これは…違うー』

バンっ!!

「黙れよ…。どんなに外見磨いたって、内面ブスじゃ誰も寄り付かねえよ!!」

女子a『あの…きのー』

「失せろ、ブス!」

何やってんだ俺は…ほっとけばいいのに…。
はぁ〜。

奈々『あの…』

「てめぇもな、いい子ぶって泣いてちゃんと言えよ!だから、あいつらにやられんだ!」

奈々『ご、ごめんなさい…。』

「ごめんじゃなくて、もっと胸を張れよ!!」
奈々『でも、高校で出来た友達だから…。』

俺は何かの線を切ったみたいだ。

「はぁぁぁ?あいつらを友達だと思ってんのか?馬鹿かお前らは?」

奈々『友達の悪口言わないで…。』

「それは友達とは言わないんだよ!ただの利用道具なだけだ!友達ってもんは、自分をちゃんと出せるやつのことを言うんだよ!」

パシンッ!

奈々『違う…。違う!折角友達できたのにどうして邪魔するの?ほっといてよ。』

「いてぇ…。つか、ちゃんと出せるじゃねぇか!自分の気持ち。友達は作るもんじゃない、勝手に気づいたら出来てるもんだって俺の知り合いが言ってたぞ?」

俺はそれを言い残して、帰った。

チェリー『さっきの陽太かっこよかった!友達は気づいたら出来てるもんだって最高だったよ』

「うるせっ!まぁ、あとは本人次第だな。」

チェリー『ところで、陽太って男女ともに好かれてるのね!』

チェリーのせいで今日は散々な目にあった。
もう、関わるのはやめよう…。。

そして焼却炉の件から1週間がたったある日、あの女は動き出した。

女子a『奈々、飲み物!』

奈々『今、手が離せなくてごめんねぇ』

女子b『は?口答えしてんじゃないわよ!』

口論をし始めた。要と木陰が止めようとしたが、俺が止めた。あいつの顔つきが前とは違ってたから。まぁ、チェリーには俺の頭めっちゃ殴られてるけど。

女子bが叩こうとしたとたん手を振り払った。

奈々『もう私、お友達ごっこなんてしない!言いたいことは言わせてもらうわ。もう、高校生何だから自分でやったら?』

女子a『折角、仲良くしてやったのに口の利き方ムカつく!』

女子b『マジできも!ウザいから消えてくんない?』

木陰はもう限界で飛び出して、助けようとしたが、この間の女子z・yが女子a・bの頬を叩いた。
パシーンッ!
女子y『いい加減にしなよ』

女子z『消えるなら、あんたらが消えなよ!』

女子a『何すんのよっ!!』

女子b『木之本くんにいいところ見せようとしてるだけでしょ?』

クラスが騒がしくなってきて、他のクラスまできてる。木陰はチラチラと俺の顔をみる。

女子y『そんな訳ないでしょ!あんたらがいつになっても学習しないからよ!!』

奈々『あの…やめようよ…。』

女子a『あんたは引っ込んでなさいよ!』

治りそうもないなぁ〜(´ー`)俺は奈々を手招きして呼んだ。木陰と要は驚いた顔をして俺の顔をみる。
「お前はこれからも自分の気持ちを伝えていかないつもりか?」

奈々『えっ?』

「折角、味方になってくれる仲間がいるのにほっといていいのか?ちゃんと自分の気持ちを伝えない限り、本当の友達なんて一生できねぇよ?それでいいのか?」

奈々『…。』

俺は最後に助言をして、ゲームをやり出した。チェリーはさっきまで蹴ってたくせに、今なんか撫でてやがる。

女子a『何、いい子ぶっちゃって…。ウケるんですけど。』

女子z『はぁ?いい子ぶる?最低な人間になるよりはマシよ!』

奈々『もう、やめて!!』

奈々の叫び声で静まり帰った。

奈々『y・zさんありがとう。でも、y・zさんのおかげで強くなれそう!』

女子a『何よ!この前までぺこぺこしてたくせに。』

奈々『それは友達になりたくて、迷惑かけたくなくて…。でも、そんなの友達じゃない!』
女子b『あんた、生意気なのよ!折角、良くしてやったのに。』

女子z『はっ?利用の間違いじゃない?』

クラス『イジメとかカッコ悪いんですけど〜。』
他のクラス『ぷっ!ああいう女は無理だわ〜。』

女子a・bは周りの冷たい視線が自分たちに向いてきて、逃げ場を見失い奈々を叩こうとした。
ガタッ!

木陰『陽太…?』

パシーン!!

女子z・y『ー!!』

「っ!案外、女子のビンタは痛い…大丈夫?君、よく言えたじゃん!」

奈々『木之本くん!!』

女子aは真っ青した顔をしていた。

「はぁ〜。君たちさぁ、もういいんじゃない?これ以上は自分たちが惨めになるだけだよ?」

木陰『そうそう!誰だって1回は間違えるものだしさ。今後、しなければいいんじゃない?』

女子a・bは俺らの言葉を聞いて泣き出した。そして、奈々に謝って教室をでた。



その出来事から1週間が過ぎた。朝、教室行くなり、奈々っていうやつがやってきた。

奈々『木之本くん、本当にありがとう。私、y・zさんとお友達になれたよ。ありがとう。』

「別に…。てか、君誰?何で俺の名前知ってんの?」

木陰・要『は?』

クラス・奈々『えっ?』

全員『はぁぁぁ?』

木陰『あんだけ、騒動起こしてたのにこの子の名前知らなかったわけ?』

俺が頷くと男子からはブーイングくらい、女子には何故かクール感をもたれた。

奈々『私は木之本くんと同じクラスの、桃山奈々(ももやま なな)っていいます。』

「あっそうなんだ…。よろしく。」

そして、桃山奈々はそのままの自分で友達ができ、クラスに駆け込み学校生活を送り始めた。

そして、木陰と要に今回の奈々の代わりに叩かれたことについてからかわれました。


チェリー『陽太って、意外に結構モテるのね』

「知らん!てか、今回チェリー活躍ゼロじゃねぇ?つか、俺が巻き込まれた今回の件、発端お前じゃねぇ?」

チェリー『だって、ほっとけなかったんだもん!いいじゃない!上手くいったんだから。』

「よくねぇ!!俺は漫画の時間とゲームの時間を奪われたんだぁぁぁ!時間返せぇぇぇ!」


つづく…。
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