ロールキャベツは好きですか?

side:祈梨


『土曜日、日曜日は、ゆっくり休息しててくださいね!』

忠告するかのように、そう言い残して、田島くんは帰っていったけれど、日曜日はそうもゆっくりもしていられなかった。

「智(さとし)おじさん。お願いだから、今日の法事くらい出てよ」

日曜日。

ふすまを閉め切ったまま、うんともすんとも言わない叔父の部屋に向かって、私は声をかけた。

時刻は朝の9時。

「ねぇ、お願いだからさぁ」

やかましいなぁとでも言うかのように、部屋の中で、布団が音をたてる。
叔父が寝返りをうったらしい。

しかし何の応答もないので、私はため息をついて、身を翻した。
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