素直になれない7センチ



————オフィスにつくと、いつも通りハイヒールを履き替える。


既に真希が出社していて、まだマスクはしているけど顔色は昨日より良さそうだった。



「新藤ちゃん〜! 昨日は本当にありがとう! 迷惑かけてごめんね!!」

「ううん、具合大丈夫? 少しは良くなった?」

「あの後、熱が出たんだけど今はすっかり下がったよ」



まだ鼻声みたいだけど、熱が下がったなら土日安静にしていれば治るかな。

購買部は他にもいるけれど、ファミレスの担当は私と真希だけ。


相棒がいないとやっぱり不安になってしまう。

私も風邪引かないように気をつけないと。




「そうだ。さっき坂田さんがきて、今夜空いてたら女子会しようだって」

「え、今夜?」


珍しく突然の女子会だなぁ。

いつもは何週間か前に候補日あげて、集計して決めているのに。



「あれっしょ。絵里子ちゃん、伊納くんと別れたんだって」

「え!」

「だから緊急女子会やるらしいよ。私はまだ体調優れないから欠席するけど」


絵里子ちゃんと伊能くん二年くらい付き合っていて結婚間近とか言われてたけど、別れちゃったんだ……。


今日は夏目くんに断られちゃって予定ないから参加できそう。


あとでメール入れておこう。







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