素直になれない7センチ



「あはは、夏目ってば顔赤〜!」

「あのなぁ……」

「おっかしー! お前のそんな顔初めて見たわ〜」


顔が真っ赤になった俺を見て、ゆたは大笑い。

……そんなに人の片想いがおもしろいのかよ。




「じゃあさ、」


にやりと片方の口角を上げて微笑むときは、ゆたが何やら企んでいる時だ。

一体なにをするつもりなのかと思いきや、驚くことに奇抜なことを普段からよくしていたゆたにしては普通のことだった。

……いや、俺にとってはかなり有り難かったけど。




「ねーちゃんに家庭教師頼もうよ」


それから、ゆたの思惑通りに上手くことが運び香穂さんに半年だけだけど家庭教師をお願いすることができた。


半年あれば、振り向かせてみせる!


なんてあの頃は意気込んでいたけど、想像以上に遠回りしてしまい六年かかってしまった。








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