お前のとなりは俺だから


無事にスリッパを借り、教室へと入る。


「ほんっとに家だと思う?」


未だに腑に落ちない私は、さっきから同じことを、楓に聞きまくっていた。


「……夏菜、あんたしつこい」

「いや、だってさ〜」


私がブーブーと楓に小言を言っていると、教室の扉が開く。


「おー、皐月おはよー」

「はよ」


……昔からコイツ、朝は弱い。


「変わってないねー」


楓も同じことを思ったらしく、二人でクスクスと笑っていた。


「皐月くぅ〜ん、おはよぉ〜」


という、西原の声が聞こえてきた。


「なんだろ。さっき、舌打ちが聞こえたのは気のせいかな?」


私がそう言うと、楓もコクリと頷き、「私も聞こえた。幻聴じゃないらしい」と言う。


< 23 / 71 >

この作品をシェア

pagetop