Green eyed monster《悲しみに、こんにちは 例外編》
あの夜より


「ヘタレ男め」

芹沢ユズキは入家 さくらの部屋でぼそりと呟いた。
時刻は朝 7時。
今日は12月23日 天皇誕生日だ。


なぜ、彼女が入家 さくらの部屋にいるかは
これまでのお話を読んで欲しい。


まあ、何はともあれ
昨夜は結局 ユズキはさくらの部屋に泊まったのだ。
もちろん、入家 皐月は自分の部屋で寝た。
まあ、つまりユズキの貞操の危機は免れたのだ。


ードンッドンッ

「おい!くそっチビ!!起きろ!!」


今、彼女は他人の家で 一応 恋人である 入家 皐月の部屋の前にいる。



「……先輩!!」



ドアを開けたのはもちろん 入家 皐月 16歳



「おはよう、入家君。さあ、朝飯だ!」


「……先輩!俺、低血圧ボーイなんですけど!
だいたいねえ、他人の家にいきなり泊まっといて……。」

「いや、それには感謝してるのです。
そうじゃなくてね……。」


そう、彼女は気付いてしまったのです
だからあからさまに不機嫌なんです

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