たからもの

たからもの



翌る日の早朝、一本の電話がママにかかってきた。

ママは眠い目をこすってその電話にでた。

そしてしばらく話していると、突然目をきょろきょろとさせて、口元に手をあてた。





何も言わず私を引き連れて車に乗る。

病院に着く。

エレベーターに乗っているとき、少しそわそそわしていたが、その時も何も言わない。


病室へ入る。


医者と看護師が待っている。

ベッドの前に立つ。
 








おじいちゃんは息がなかった。






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