お日さまの笑顔に導かれ


奏太はもう一度あたしを抱きしめた。


「太陽は、もういねぇんだよ!」


「…………」


「強くなれよ!しっかりしろよ!……俺が側にいるから!!」


「っ…うっ……」


奏太はあたしの頬を伝う涙をすくった。


「陽菜なら、強くなれる。しっかりしろ。俺もついてる。」


「奏太…」


あたしは本当に弱い。太陽が居なくなってから今まで、ギリギリのところで自分を保ってきた。


過呼吸が精神的な面からくることも知ってる。


きっと独りじゃあたしは立っていられない。


「陽菜‥」


「ごめんね、奏太」


「あやまんなよ」


ずっとギリギリのとこで踏みとどまってた。でも奏太になら素直に涙も見せれた。


「ずっと、迷ってたんだ。陽菜は太陽が好きだから。けど‥こんな状態の陽菜ほっとけねぇし、俺が陽菜の側にいたいんだ。」


「ん‥‥」


「‥ずっとずっと、支えていきたいんだ。」


「‥うん‥」


「俺‥陽菜が好きだ。」


奏太はあたしを見て、まっすぐ言ってくれた。


ねぇ?太陽。
奏太に頼むって言ったときさ
あたしの顔見なかったのは
あたしが前に進みやすくするためだったでしょ。


「‥‥‥ずっと、一緒にいてね?」

あたしは少しの沈黙のあと奏太の目を見て言った。


「もちろん!ずっと一緒にいる。」


そう笑ってあたしを抱きしめた。
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