プレゼント
仕事も終わり、いよいよ明日からは、怒涛のクリスマスケーキ作り。


そんな時に言うのもどうなの?と思いながら、従業員の出入り口で拓海さんを待っていると、カチャ……とドアが開いて、まさに待ち人の拓海さんが‼


「何やってんの?こんな寒いのに……」
お前はバカか……って顔で見られた。


やっ……その……。
「た……拓海さんに、お話があって……。」
あぁ~、こんなのバレバレじゃないの‼


こんな時期にお話なんて、絶対100%告白しかありえないでしょ!私のバカ~‼‼‼


「なに、話って。」
そっけなく言われて落ち込む。


やっぱり……、好きでもない女の子に言われたって、迷惑極まりないよね……。


もう、このまま帰ってしまおうか……。


私が、そう結論づけて、
「すみません、やっぱり良い...」
ですと言い切る前に、突然抱きしめられた。


えっ??
えっ??


1人パニックになっていると。


「こんなに身体冷たくして……風邪ひいたら、どうすんだよ。」
優しい声音が落ちてくる。


まだパニックで、話せない私に。


「俺の事待ってたのに、なんで帰ろうとすんだよ。期待したのに……俺の勘違い?」
ビックリして顔を上げると、今まで見た事ないくらいの甘い笑顔で。


私……勘違いしても良いのかな?
「好き……」
零れた言葉に。


私の耳元で囁いた声は。


「俺も好きだよ。」
と呟いた。
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