キミに想いが届くまで。
「先に絵梨ちゃんからね。
順平くんは他の問題解いてて」
「はーい」
順平くんに声をかけてから、絵梨ちゃんの分からないところを解説する。
絵梨ちゃんは古典が極端に苦手みたいで、他の科目はほぼ隙ナシ。
いつもお世話になってる絵梨ちゃんにこうやって恩返しができるのは嬉しい。
「なるほど。ここの口語訳が違ったのか」
「うん。でも点数はもらえる答えだと思うよ。
絵梨ちゃんの覚えの速さはさすがだね」
「莉子の説明が分かりやすいの」
嬉しいことを言ってくれる絵梨ちゃんに頬が緩む。
勉強頑張ってて良かった……!
「莉子、次オレ」
「あ、はーい。順平くんは数学?
あれ、1番得意じゃなかった?」
「得意っつっても他より少しできるってだけで、莉子みたいに完璧なわけじゃないから」
「私も完璧じゃないから、分かるかな?」