キミに想いが届くまで。




「うん、あたしも。
これからはたくさん話していこうね、莉子」


「あぁぁ……」




中学生になって初めて、下の名前で呼んでもらえた。


嬉しさのあまり、言葉にならない声が出る。




そんな私を笑って抱きしめる。




「莉子、かーわいい。
仲良くしてね!」


「こ、こちらこそ。
しら……絵梨、ちゃん!」




呼んでいいのか分からず不安になったけど、どうしても呼びたくて名前を呼んでみる。


ぎゅーっと強く抱きしめられて、まだそんなに時間は経っていないのにすごく安心できたんだ。




初めての女の子の友達……。



私は幸せすぎて、涙が溢れそうになった。


そんな私に、絵梨ちゃんは優しく微笑んでくれたんだ。





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