俺様御曹司と蜜恋契約
あの写真の中の私たちのように、笑顔で笑っていられる日々が続くと思っていたのに。幼馴染という関係に恋愛という複雑な感情が絡み合ってしまった私たちは3人のバランスが崩れてしまった。

優子とは今でも連絡を取り合ってたまに会ってはいるけれど陽太とはもう2年も会っていない。

本当はすごく会いたいのに……。


「ごめんね、陽太」


膝を抱えるとそこに顔をうずめた。

思い出すのは陽太の気持ちに応えられなかったあの日のこと。

ずっと片思いしていた陽太に好きだと言われたときは嬉しかった。でも、私はそんな彼の気持ちに応えることができなかった。自分の恋よりも優子の恋を叶えてあげたいと思ったから。私が陽太への想いを捨てれば優子が幸せになれる…。


「これで良かったんだよね」


そっと顔を上げて勉強机の写真たてを見つめる。

そこには陽太のことが大好きだった頃の今よりも少しだけ若い自分が彼の隣で嬉しそうに笑っていた。


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