怨み赤子
失敗
突然、あたしの脳内にクラスメートの真治が首をつっている映像が流れ込んできた。


暗くて狭い部屋。


たくさんのフィギュアが置いてあり、本棚は漫画でギュウギュウづめだ。


そんな中、真治は首にロープを巻き付け、部屋のはりからぶら下がっていた。


今までも怨み赤子がやっている事や、見ている事が脳内に流れ込んでくることは多々あった。


それを見て自分の怨みが晴らされたのだと理解できていたし、今回もそれと同じだと思っていた。


でも、その衝撃は今までにないものだった。


目を見開き、口から内蔵の一部がはみ出している真治の顔にあたしは絶叫して目を開けた。


目の前にはリサさんが心配そうな顔をしてあたしを覗き込んでいる。


「大丈夫？　随分とうなされていたわよ」


そう言いながら、ぬれたタオルであたしの額をぬぐってくれた。


周囲を見回してここが協会の教壇の前だと言う事に気が付いた。


お祈りに疲れてそのまま眠ってしまったようだ。


「今、あたしの最後の怨みが晴らされました……」


あたしは小さな声でそう言った。
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