怨み赤子
昔は
ファミレスで3人残されたあたしは無言のままご飯を食べていた。


さっきまではカナミがいたから美味しいと感じられていたけれど、今では早く食べて帰りたいという気持ちの方が強くなっている。


ユキと勉は相変わらずよくわからない漫画の話で盛り上がっていて、笑い声が絶えない。


ようやく食べ終えてホッとしていると、突然ユキの表情が険しくなった。


なに？


そう思って見てみると、勉が食べ終えた食器を重ねているのが目に入った。


勉の癖なのかもしれないが、それが一体どうしたんだろう？


「重ねたら食器の下が汚れるんだけど」


ユキがそう言い、勉を睨む。


勉は「あ、ごめん……」と小さく呟いた。


偶然通りかかった店員があたし達の皿を下げていく。


「しかもそのまま店員さんに渡すし」


何が悪かったのかユキがブツブツと勉に文句を言い始めた。


文句を言う理由がわからなくて、あたしは首をかしげる。


だけど、この光景は何度も見たことがあった。
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