怨み赤子
始まり
数か月前のチラシの出来事から、あたしの怒りはたまりにたまっていた。


小さなことが雪のように降り積もり、爆発は間近だ。


翌日、天気は最低だった。


朝から大雨が降っていて時々雷が鳴り響く。


あたしは透明傘を持ち、何食わぬ顔で家を出た。


学校までの道のりがいつもの倍ほど長く感じる。


早くつきたいと思えば思うほど、その距離は遠くなる。


ようやく学校についても校舎はじめじめとしていて蒸し暑かった。


傘立てに乱暴に傘を突き立てて教室へと向かう。


前のドアから入ると、ユキはまだ来ていなくて勉の姿は見えた。


「おはよう」


あたいしは勉にいつも通り挨拶をする。


「おはよう、月乃」


勉は片手を上げてそう言った。


ユキがまだ来ていないからか、勉は椅子にもたれかかってカッコつけている。


ほとんど生徒の来ていない教室でそんな事をしても意味がないのにと思いながら、あたしは勉に近づいた。
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