怨み赤子
終焉
あたしは本当の事を2人に伝えただけだ。


悪口を言っていたのも、ユキがあたしとカナミを見下していたのもすべて事実だ。


しかしその事実が公になった時、2人の仲は急激に悪くなって言った。


翌日学校へ来てみれば教室内で口げんかをしている2人を目撃し、その翌日学校へ来てみれば泣いているユキの姿があった。


「最近、ユキも勉もどうしたのかな?」


友達がそう声をかけてきてもあたしは首を傾げて「知らない」と、返事をした。


「でも静かになってよかったよね。あの2人ってすごい癖のある性格をしていて、面倒くさいしね」


そう言って陰で笑うクラスメートたちもいた。


ユキに見下されていたのはあたしやカナミだけではなかったようだ。


そして勉のカッコつけにうんざりしていた子も何人もいた。


そして数日後、ついに2人は別れたと聞いた。


教室内にいても視線を合わせない2人を見てあたしは心の中で笑っていた。


いい気味だ。


ユキの伸びきった鼻もへし折られ、今は完全に教室内で孤立状態だ。


ユキの言っていた常識は、みんなには通用しない非常識なことだったということだ。


あたしは教室の隅に1人でいたユキに話しかけた。


ユキはここ数日で見る見る内に太って行った。
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