唯一愛した君へ





はぁ、と息を吐いても、いつも匂うあの匂いはない。


中毒になっていたあのパイプがないと、妙に落ち着かない。


思わず、小さく舌打ちをする。







灰色一色の閉鎖的な、暗い箱。


鉄格子で、逃げ出さないようしっかりと閉じ込められている。






周りを見れば…、俺と似たような奴ばかりだ。











―――…ここは、刑務所。ブタ箱だ。






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