プリンセスになりませう!?
『おい 大丈夫か?』

誰かが葵に英語で声を掛けらるが恐怖で声も出なく

だたただ横に首を振るのが精一杯



『…はぁ…ダメ… く、苦しい』

青い顔ではぁはぁと激しく息をする葵のもとに来て、守るように抱きしめ

『目眩は?息が出来るか? くそっマスクが上に引っかかって取れない』

顔を覗く様に話しかけられるが人形のように固まり動けない

機内の揺れも激しく電気関係にも支障が出ているのか室内ライトが

時折付け消えしている


『過呼吸だな クッ 揺れが酷くて動けない

おい、ちゃんとこっちを向けっ

血液中の二酸化炭素濃度が薄くなっている

直ぐに楽にしてやる』

そう言うと同時に男は唇を葵に押し付けてきた。

力を入れて噛みしめているお葵に『力を抜け』と舌でゆっくりと開かせて

男の吐いた息送り込むペーパーバック方式で二酸化炭素を送り込む


『落ち着いて そう、ゆっくりと息をするんだ

直ぐに息が楽になるから』

自分の壊れるような激しい心音や悲鳴だけが鳴り響いていた耳に

堂々とした男らしく澄んだブリティッシュ英語の声が届く



落ち着き出したとともに葵の意識はゆっくりとブラックアウトしていった。
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