陽のあたる場所へ

「シッ!静かに」

龍司が、突然手の動きを止めて言った。



コツ、コツ、コツ…

廊下を誰かが歩く音が聞こえて来た。
足音はどんどん近づいて来て、図書資料室の入口あたりで止まった。


「まだどなたか居ますか~?」

守衛の見回りらしい。
入口から少し中に入って来る靴音がした。



見つかる?!…

途端に正気に戻り、慌てて龍司から離れようとした沙織だったが、意外にも龍司はそれを阻止して、また沙織の身体を弄び始めた。


「あっ!…」 思わず漏れてしまう声。

「声、出すな」 囁くような呟くような声。


二人のいる場所は、資料室の奥の方だから、守衛に会話は聞こえていないだろう。
でも…これ以上物音がしたら、中まで見に来るかも知れない。


「だったら…あっ、‥もう…やめて下さい…」 

「あんたが、声、我慢すればいいんだろ?」


沙織の哀願は受け入れられるどころか、身体を向き合うように反転させられると、龍司は沙織の胸元に唇を這わせて来た。

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