陽のあたる場所へ


私は、そんな存在にはなれない‥。



それどころか彼は、そうすることによって、私が自ら姿を消すことを望んでいる…。





惨めさがどんどん湧いて来て、たまらない気分になり、沙織は空を見上げた。


悲しみなど全く不似合いなほどに晴れ渡った空に、涙は下瞼の中で辛うじて止まってくれた。


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