陽のあたる場所へ


思いがけない再会だった。

自宅のソファーの上に寝転びながら、亮から貰った名刺を眺める。



海外赴任が何年続くのか、沙織は勿論のこと、亮自身にもわからなかった。
数年後に日本に戻ったからと言って、元の部署に戻れるのか、他県に配属されるのか、それによって住む場所もどこになるのか、全くわからなかったのだ。

だから、もう二度と会うことはないと思っていた。



胸を切り裂かれるような痛みは、
時の流れと共に、いつの間にか
切なくも、甘い痛みに変わっていた。

それが、想い出に変わったということだ。

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