この気持ちの伝え方
2章
龍也が止まったのは裏庭だった。
振り返った龍也に言われた言葉に私は驚愕した。
『付き合ってるフリしてくんない?』
「え…?」
『自分を振った相手になんでそんなことを頼むのか分からないって顔してんな。』
「…」 図星だった。
『まあ、簡単に言うと俺を好きにならない女だから。』
「は…?」
『今アピールしてきてる女たちがしつけーから彼女いるって言えば引き下がるだろ?俺は俺に惚れてる女とは付き合わないって決めてるから、俺を振ったお前なら大丈夫だと思ったんだよ。』
「(私もあんたに惚れてるんだけどな…。でもこれは仲良くなれるチャンスかも!)」
『あ、別に仲良くするつもりはねーから。そういう女が来た時にお前はちょっといればいいし。』
「(また見破られた…。エスパーみたい…。でも謝りたいし、いい機会だよね…?)」
『別にやらなくてもいいけど、どうする?』
「やる!」
『ふーん、じゃあ今日放課後迎えに行くから』
あの時のように私と言葉を残し、龍也は戻っていった。
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