好きっぽい★
あたしの絶叫がキャンパスに響き渡った。


「とりあえず、来週は『SAW4』の上映会やるんだよね。あ、1から3はもう見た?」

何も言えずブンブンと顔を横にふる。

みっ……見るわけないよ。

その手のものはずっと避けてきたんだから。


「じゃ、これ貸してあげる。見といた方が絶対いいって!」


カジ君は鞄の中から取り出したDVDを差し出した。


あたしはDVDとカジ君の顔を交互に見つめた。


なっ……なんでこんなもん持ってんのよ?

まさか、常にホラーDVD持ち歩いてんの?


「ん?」


カジ君は、どうしたの?って感じで首を傾げて、それからフワリと笑った。


う……。

だめだ。

やっぱこの笑顔に弱い……。

ほんとなら持つのさえ苦手なホラー映画のDVD……。


うう……怖い。

怖すぎる……。



あたしは親指と人差し指だけで、ケースの端っこをそっとつまんだ。



「お……お借りします……」


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