続・生きる。



「はーやーて!

教えてー。」


「はいはい、どこ。」


颯はあれから普通で

いつも通り文句を言いつつ

数学を教えてくれている。


「由茉さー、数学苦手なの?」


「苦手っていうか嫌いかな。

体が拒否してる。

でも颯はわかりやすいから頑張れる。」


「ふーん。」




私はテストまで、溜まり場へ通い

みんなに勉強を教えてもらった。


「なんでみんなそんな頭いいの?」


「前もいったと思うけど、要領がいいだけ。

要点をまとめて覚えて、あとは頭の柔軟性。」


哉斗が答えた。


「それなりに授業も聞いてるしな。」


爽が言った。


「私も努力してるのになぁ。」


「勉強はね、みんな小1からの積み重ねだから。

由茉ちゃんは学校毎日通い初めて

まだ1年もたってないからやり方わからなくて

当然なの。ずっと勉強してこなかったやつもね。

そんな簡単に出来たらみんな頭いいでしょ。」


「…哉斗…それ慰めてるつもり?」


「全然だな。」


湊が答えた。


「えー!フォローのつもりだったのに!」


「気持ちは伝わったけどね…」


私は苦笑いしかできなかった。

< 131 / 953 >

この作品をシェア

pagetop