続・生きる。


相変わらず女の人が話してる。

颯はなにも言わない。


「あの女、もともとここらへんの族の姫だったんだ。

小さな族で俺らとはかかわりないけどな。

でも颯に出会って、裏切って姫をやめたんだ。

あの女にはそれくらい颯の存在がでかかったんだ。

颯はそんなこと知らなかったんだ。

知ってたなら他の姫に手を出すなんてしないしな。

あの女も裏切ったからにはそれなりの仕打ち

受けたんだろうけどな。

それが終わったのに颯に捨てられて

ショックだったんじゃねぇの。

たぶん、由茉が姫やってることも知ってる。」


「あぁ…だからあなたのせいでって…」


「姫は総長の女だ。

そしてみんなに守られる存在。

うらやましかったんじゃねぇの。

由茉は無条件に颯のそばにいられるから。

それに、如月の姫だって言う立場も。

あの女がいた族は姫にも仲間にも

容赦なかったみたいだしな。

俺らは信頼関係が厚い。

信頼できるやつしかいれねぇから。

でもあいつらは違ったんだろ。

みんなから信頼されてるお前がうらやましかったんだ。」


「…そうなんだ。

爽が調べてたのはそれ?」


「あぁ。」


なるほど…
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