続・生きる。



用を足してなんとなく外を見たら

見たことある女の人が立っていた。


「……あれ、智華さん?」


私はみんなに気づかれないように校舎を出て

智華さんのところへ向かった。


「爽に用ですか?」



私が話しかけたらびっくりした表情をしたけど、

すぐに冷静な表情に戻った。


「えぇ、呼んでもらえる?」


「無理です。爽はあなたに会いたくないようなので。

もう来ないでもらえます?迷惑です。」


私が強気で言うと


「……あなた、名前は?」


「桜ヶ丘高校3年C組三浦由茉。」


「ご丁寧にありがと。


ねぇ、あなたは爽と付き合ってるの?」


「いえ、友達です。」


「なら爽から離れてくれる?

私爽のことが好きなの。

また付き合いたいの。」


「無理です。友達なんで。」


「……あなた、痛い目に会いたいの?」


「あなたは私には勝てません。」


「私が無理でも他の人なら?

離れてくれないと、爽を痛め付けるわよ?」


「爽も無理ですよ。そんなに弱くないので。」


「そんなことないわ。

如月の元総長の三浦一輝さん、ご存じ?

一輝さんなら爽なんてすぐよ。

もちろん、あなたでも。」


え、一輝?

え、如月元総長の三浦一輝ってあの一輝だよね?

え、この女ばかなの?

でもそうくるなら私だって……


「……脅しですか?」


「そんなひどいことしないわよ。

あなたが爽から手を引いてくれて

私と爽を会わせてくれたら一輝さん紹介するわ。」


「……私にそんな脅しが通用するとでも?

私はそんなの怖くない。

爽には会わせない。

私なら受けてたつ。

でも爽にはなにもしないで。」


「……バカな子ね。

今日のところは帰ってあげる。」


そう言って智華さんは帰っていった。


私は急いで教室に戻った。


すでに授業は始まっていた。


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