続・生きる。



そして、私たちは最後の資料室。


「これでここも最後か…。

やっぱ寂しいね。」


「そうだな。ここにはもう

来ることはないだろうな。」


湊がいった。


……寂しい。

やっぱり卒業は寂しい。


「私、この高校に来てよかった。」


みんなと出会えたから。


「俺らも由茉がいてよかったよ。」


颯…。


「颯らしくないね。

でもありがと。

颯のおかげで数学点数とれたし!

大学でも教えてね、数学。」


「は?まじむり。」


「はは、いつも通りの颯だ。」


なんだかんだ颯は教えてくれる。

優しいの知ってるよ。


「俺さ、母さんと会ったよ。」


哉斗…。


「そう、よかったね。」


「うん。由茉ちゃんのおかげ。ありがとね。

笑って見送ったよ。

俺の弟も……すげーなついてくれた。

また会いに来るって。

俺も会いに行くって行って別れた。

俺もやっと前進めた気がする。」


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