ほんとのキミを、おしえてよ。


って、あ、ダメだ!はい、有紗一旦落ち着いて。

こんな子の前で取り乱したら女の子が怖がっちゃうでしょ。


はい、吸ってー吐いてー。


よし、落ち着いた。これで質問に答えられるよ。


「一応、私は中村ってだけど……でも世の中に中村さんっていっぱいいるよ?」


ちなみに中村って名前は全国で8番目に多いんだよ。意外にこの苗字人気なのね。


って、

「え、」


私が答えた途端、急に手をガシッと握ってきた。


な、なんだ!?


「中村さん、お会い出来て嬉しいです!放課後、ここで待ってた甲斐がありました!」


その顔はキラキラと輝いていて、もう緊張はどこかに飛んで行ったみたいだった。



それにしてもなぜ、この子は私を探していたんだろうか。


っていうかまず、どこかで会ったことあるのかな?

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