ほんとのキミを、おしえてよ。

ガツンと言ってやりましょう。





お昼休み。


「花那ちゃん、ご飯たーべよ!」


私が花那ちゃんに声をかけるとハッとしたような表情になる。


「あ、有紗ちゃん……うん、食べよっか」


心なしかというより確実に、花那ちゃんはいつもよりぼーっとしていてどこかに意識が飛んでいる。

話していても、どこか遠くを眺めているみたいに目が合わない。


朝来たら花那ちゃんの目は充血して腫れてたし。やっぱり、泣きはらしたのかな。


しかも学校に来る途中に、花那ちゃんが晴仁くんと別れて五十嵐くんに乗り換えたって噂まで流れてた。

花那ちゃんの耳に入っていないといいんだけど。

昨日から、余計な噂ばっかり立つ。
これ以上、傷えぐらないでよ。

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