ほんとのキミを、おしえてよ。



「有紗ちゃん……あの、」


花那ちゃんが何かを言いにくそうに私の席へやって来た。


「ん?どしたの花那ちゃん、今日もかわいいね」


「へ?あ、ありがとう。今日はリップ変えてみた……って、そうじゃないよ!」


あら、花那ちゃんにしては珍しいノリツッコミじゃないか。

そしてその後照れたように顔隠す仕草かわいすぎる。


さっきまで深刻そうな顔してたから晴仁くん関係かと思ったけど、もしかして違う?


本当に辛いならノリツッコミなんてしないよね?


「どうしたの?」


今できる最大限の笑顔でにこっと微笑んだ。


「ん〜〜、有紗ちゃんごめん!!気にしないようにしてたけど気になるものはやっぱり気になっちゃうよ。私、有紗ちゃんが元気ないの嫌だもん」


頭を抱えて、それから迷いを振り切るように真っ直ぐに私を見た。


「ん?私、元気だよ?ほらこのとーり!」


私が元気じゃなかったら私のアイデンティティ死んじゃうよ。


Vサインを決めて笑った。

大丈夫、きっといつも通り笑えてる。


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