不良王子と 普通女子。
HRが終わった途端、ミヅキが振り返った。


「あのね、アヤ!!さっき言おうとしてたこと!!」


「え、あ、うん?」


あまりの勢いに、少しひるんでしまう。


負けるな、私!!




…ん?何と勝負してるんだろう?



ミヅキは興奮気味に口を開く。


「あのねあのね、アヤの隣の席の人ってね…」


あ、奇遇だね。

さっきその人のこと考えてたんだよ。

不良なんでしょ?知ってるよ。



「… “不良王子”、らしいよ。」


「…は?」


見たことも聞いたこともない単語に、私は間抜けな声を出す。


不良は分かるけども、王子とは…?


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