イブにあいましょう
そうして、紀章さんにメールを送った数時間後、彼からメールの返信が届いた。

『りさ子も仕事中だと思うからメール送る。振込ありがとう。だが、仮におまえが振込しなくても、俺はおまえとデートする気満々だから 紀章』

「りさ子さん、またメール見てる」
「しかも顔にやけっぱなし」
「え~?そぉ?だって・・・嬉しいんだもん」
「うわきたー!20万の喜び!」
「こらっ!」

みんなに茶化されても別にいいもん。
だって、今の私は、ハートがふんわり浮いちゃってるような感じで・・・そう、まさに、さっき作ったばかりのスフレみたいに美味しそうで(実際美味しかったし)、軽やかで・・・とにかくウキウキしてるんだから!

「それにしても。りさ子さんに男の影出現って、初めてじゃないですか?」
「ようやくってとこっすね」
「うーん。ようやくって言うより・・・やっと、かも」
「やっと?」

「うん。また誰かと恋愛することを、やっと自分に許可出せた」

そう言えるのも、やっと自立できたと、自分で思えるから。
そして、恋愛をする「誰か」は・・・やっぱり紀章さんじゃないとダメ。

私のハートをときめかせることができる男性は、紀章さんしかいないんだ。

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