御曹司と溺甘ルームシェア
フフッと悪びれずに笑う響人のお母さん。

この笑顔怖いんですけど……。

結構いい性格してるなあ。さすがあいつの母親だけのことはある。多少のことでは動じない気がする。

「ああ、その苦い経験があるから、あんな意地悪な性格になったんですね」

何も考えずにしみじみそう口にする。

あっ……失言だった。

慌てて手で口を押さえて気まずそうにしていると、響人のお母さんは気を悪くした様子も見せずにハハッと声を上げて笑った。

「育て方間違ったかもね。でも、寧々ちゃんがいてくれるんだもん。私は安心よ。今日は何しましょうか？私の通ってるサロンに連絡してここで身体をマッサージとかしてもらう？気分がリフレッシュするわよ？」

……そう言えば、最近サロンに通ってなかったな。

どうせこの顔で外出は難しいし、それもいいかもしれない。

でも……何もしないでいたらまたあのことを考えるかもしれないし、ののちゃんのことも気になる。
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