御曹司と溺甘ルームシェア
これは……鷹頼じゃない。

身の危険を感じて一気に眠気が吹き飛ぶ。

頭の痛みを忘れて慌てて飛び起きれば、目の前には秀麗な顔があって楽しげに私をじっと見つめていた。

「あ、あ、あ~!」

思わずそいつを指差し声を上げるが、驚きでまともに声が出ない。

冷泉響人~。

そうだ。昨日からこいつの家にいるんだった。

朝から完璧なスーツ姿の冷泉は、ファッション雑誌から出てきたモデルのようで一分の隙もない。

こいつ……スーツがパジャマないだろうな?

そんなくだらない事を思いながら冷泉から視線をそらし、周りをキョロキョロと見渡す。

ここはリビングで……私はどうやらソファーで寝ていたらしい。

自分でここで寝た記憶がないんだけど……ワイン飲んだ後、どうしたんだろう?
< 90 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop