クールな社長の甘く危険な独占愛
キス、そして


さあそして、今どんな状況になってるの?

恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら、社長に引っ張られるようにマンションへ帰ってきた。
さつきは顔をあげ周りを見回す。社長の部屋のソファに座ると、ずぶ濡れの社長が柔らかいタオルを投げてよこした。

「拭いとけ」

さつきはタオルに顔をつけ、大きく深呼吸した。

とりあえず、昌隆くんとの結婚はなしになって、それで……。

ちらっと目をあげると、キッチンのカウンターに肘をついて、こちらをじっと見ている。社長は濡れたパーカーを脱いだが、下のシャツまで濡れていて素肌が透けていた。綺麗な首筋に濡れた黒髪が張り付く。

さつきは慌てて目を逸らした。うつむきながら濡れた髪をタオルで拭く。

「シャワー浴びた方がいいか」

しゃわー?

「いっ、いいです。大丈夫です」
「遠慮するな、寒いだろ」

社長が会社モードの声音なので、さつきはこれ以上拒否することができない。

「それよりもまず、濡れた服を脱ぐか」

ぬぐ?!

「かっ、帰りますからっ」
さつきは勢いよく立ち上がると、突然体がふわんと浮き上がった。
真っ白な天井が視界に入る。

それから、社長の顔が見えた。ニヤリと笑う。

そのままベッドの上にポンと放り投げられた。

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