凛音天祥
邂逅

入学

ザー…ザー…
雨が降っている。
俺の名前は、瀧神蒼(たきがみ そう)。
今日から、華の高校生活!
…の、はずだった…
だが、初日の今日から雨。
しかも、かなり降っている。
だから、テンションが下がった俺は学校を休もうとした。
なのに!なのに、だ!
母親は、「さぁ、高校生初日なんだから!」とか言って、俺を家から追い出した。
世の中は世知辛い…

俺は、そんなことを考えている内に、もう学校が見える所まで来ていた。
周りには、同じ制服を着た生徒がまばらにいる。
(ここまで来たからには、もう今日は諦めるか…)
そう考えた俺は、校門へと向かっていった。

俺がこれから通う、私立桜花高校は中高一貫の高校だ。
元々女子の人数の方が多く、そして何故か高校から入学する生徒の入学式がない。
まあ、1学年10クラス中、高校から入学する生徒は1クラスのみで、1組~6組までが一貫の女子クラス、7組~9組が一貫の男女混合、そして10組が高校から入学する生徒の男女混合クラスという、ニアリーイコール女子校みたいな学校だから、仕方がないと言えばそうなる。
そもそも、俺だってこんな所入りたかった訳じゃない。
俺は大学の附属高校に入りたかったのだが、金と俺自身の学力の問題(主に後者)から諦めざるを得なくなり、その次に目指した
公立高校も見事に玉砕。
滑り止めとして受けていたここに入らざるを得なくなったのだ。
世の中は世知辛い…

(ま、とりあえず教室行ってみるか)
校内に入った俺は、そう考え自分のクラスである1年10組へと向かった。
昇降口に入り、階段を登り、廊下を歩く。
(女子が…)
そう、女子が多い!
実は俺は女子恐怖症(推測)で、あまり女子との交流が得意ではない。
そんな俺に対して、やはりこの環境は非常に毒性が強い。
校内には、女子。女子。女子…
男子を見つけるのが難しい位、女子が多いのだ。
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