②オオカミさんの煩悩 部下に恋したエリート課長
第4話 クリスマス・デート
 約束の時間は午後8時ジャスト。

 皆の退社後、いつもの1.5倍のスピードで残務を片付けた俺は、約束の店に足を急がせる。

 途中で、あるショウウィンドウに目を留め、立ち止まる。

 …彼女に花束は似合わない。アイツにはやっぱり…コレだろう。



 指定したのは、瀟洒な店内に予約は5組限定、お任せのコース料理のみ、という口コミ限定のレストラン。

 人事部長からこっそり教わった勝負店で、会社の奴に会うこともまずない。

 
「あ、課長。ここですよ、ここ」

 しっとりした洋楽の流れる店内で、しきりに赤野が手を振っている。

 …一旦帰宅して着替えてきたらしい。クリスマスカラーで纏めるとは、可愛いじゃねえか。


 ん、待てよ。後ろのゴツい人影は……



 



 

 

 
< 9 / 21 >

この作品をシェア

pagetop