二十年目の初恋
二十年目の再会 5
 背中から全て洗い尽くして泡まみれの胸に悠介の手が伸びてきた。

「綺麗な形してる。何カップ?」

「D……」

「あんなにガリガリだったのに……。いい女になったな」

「そんなことないよ。洗ってあげる……」

 スポンジを受け取ると綺麗に洗ってボディソープを付け悠介の背中から洗った。

 悠介は、いい男になったね。彼の広い背中が逞しく見えて、綺麗に全身を洗った。シャワーを掛け合い泡が消えていく……。露わになった体に、もう同級生じゃない。ただの男と女。そんな気がした……。

 バスタオルで体に残った水分を取り、バスローブを纏った。悠介は私を抱き上げベッドまで……。優しく降ろされ、目の前に悠介の顔があった。

「暗くして……」
 私は言った。でも……

「駄目だ。優華の全てが見たい」

 仕方なく私は目を閉じた。見られているのが分からなければ……。同じことなのに、そう思い込もうとしていた。

 悠介は、さっきまでとは違うキス。まるで唇を犯されているような情熱的な激しいキスをしてきた。それだけで体中が痺れて、私は悠介に気を失うくらい愛された……。



「優華……」

 そう呼ぶ声に私は悠介の胸で目を覚まして

「愛してるよ」

 そっと唇にキスされた。

「私、悠介を失望させなかった?」

「バカだなぁ、優華は。そんな訳ないだろう。抱いた後に、こんなに愛しいと思ったのは初めてだ」

「嘘……」

「嘘じゃないよ。体にも相性があるとしたら優華と俺は最高の相性だと思う。俺が信じられない? お前、もしかしたら……。旦那に浮気されたことで自分に女としての魅力がなかったんだと思い込んでないか?」

「浮気されたのは事実だもの……」

「その彼女から電話があって、優華が旦那の浮気を知って、すぐ別れてくれって言われたか? 違うだろう? 旦那は本当に浮気だけで優華と別れる気はなかったはずだ」


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