二十年目の初恋
愛される資格 4
「着物? いいね。優華の着物姿、見たいよ。きっと綺麗だろうな。今から楽しみだな」

「本当に?」

「俺が嘘、言ったことあるか?」

「う~ん。分からない」

「信用ないんだなぁ、俺」

「嘘よ。悠介は私に嘘は吐かないよね」

「当たり前だろ。本当のことしか言わないよ」

「ん~。でも、シワが増えたとかは言わないでね」

 悠介は笑ってた。笑いながら

「言わないよ」
 私の頬を両手でそっと包んで
「綺麗だよ」

 そのままキスされてた。

「さぁ、疲れただろう? もう寝るか?」

「うん」

「あっ、優華、ビールは?」

「もういいや。眠いから」

「じゃあ、明日な」

 私は悠介のたくさんの愛に包まれて眠った。


 ぐっすり眠った翌朝……。

 悠介はまだ眠ってる。そっと悠介を起こさないようにベッドを抜け出した。

 昨日、冷蔵庫から出して持って来た食材で朝食を作ろう。ハムとレタスとトマトのサンドイッチ、ゆで玉子ときゅうりのサンドイッチを作って冷蔵庫に入れた。

 まだ悠介は起きて来ない。寝室に戻ると眠ってる悠介の腕の中に、そっと潜り込んだ。しばらく寝顔を見ていたら

「うっ、う~ん。おはよう」と悠介

「よく眠れた?」って聞いたら

「優華のお陰でね」

「それは、引っ越しで疲れたからってこと?」

「違うよ。優華が傍に居てくれるから。優華を抱きしめてると良く眠れるんだ。夜中に目が覚めても優華の寝顔を見て、そっとキスして、また安心して眠れる」

「えっ? 眠ってる間にキスされてるの? 私」

「知らなかっただろう? 優華の甘い匂いは眠くなるんだ。とっても気持ち良く眠れるよ」

「悠介のあったかい胸も安心して眠れるよ。腕の中も、すご~く幸せな気持ちでいっぱいになるの」

「優華。そんなこと言うと抱いちゃうぞ。こっちは朝から元気いっぱいなんだから」


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