あたし、彼女?
フンッだ。秘密にしてやるっ!!
仕返しだっ!!
あっかんべーと言わんばかりに、片目の涙袋を下に引っ張って舌を少しだした。
飛鳥の腕を振りほどいて廊下に逃げる。
だけど、飛鳥が追ってくることはなくて。ちょっと悲しいなぁ、なんて思っていたら、途中で出くわした先生につかまって教室に戻された。
教室に飛鳥の姿は………居ない。
まあ、予鈴もいつの間にか鳴ってたみたいだから、当たり前っちゃ、当たり前なんだけど……。
なんだろう。
ちょっとだけ、胸騒ぎがする。
嫌なことが起こりそうな予感。
気の、せい……だよね?
気にしすぎだよね?
お昼になったら、いつもみたいに来てくれるよね?
モヤモヤが胸の辺りを覆い尽くす。
落ち着かない胸元を少しだけ、握って、前を向くと同時に離した。