誰にでも優しい上司に困惑
八方美人の上司



『はい、片桐自動車です。……お世話になっております。……はい、…はい、……わかりました。では16時にお伺いします……はい、失礼します』



電話を切り
ホワイトボードに予定を書き込む



私、神坂凛花。25歳
片桐自動車という、自動車整備工場の
整備フロントとして働いて3年

高校を卒業し、特にやりたいこともなく
就職する道を選んだ
派遣で事務とし4年働き
地元に戻って、就職したのがココ。


車が大好きってわけではない
ただ、高校時代にガソリンスタンドでアルバイトはしていた
それを買われて……なんだろうか

それでも知識がない私
この3年、かなり勉強した
今では、お客さんや工場の人とも
まともに話せるようになった


「女には、この仕事は無理だ」


よく初めの頃、言われていた
確かに、そうなのかもしれない
どこの会社もディーラーも部品屋も
男の人がフロントにいる


たまに女の人がいると
同士だと思ってしまう。
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