強引同期が甘く豹変しました


「亮太、いつ帰ってくるかわかる?」

「いえ…残業で遅くなるって言ってたので…いつになるかは…ちょっと」

「そっか。さっきLINE入れたんだけど既読スルーされちゃって。いいや、待っててもいつになるかわからないし」


その人はそう言うと、廊下に立っていた私の方に歩いてくる。

そして、一体なんの真似なのか。
距離が間近に近付いた瞬間、まるで子供をあやすかのように私の頭をヨシヨシと撫でてから横を通り過ぎていった。

それから最後に…


「ごめんね、なんかお人形さんみたいで可愛いかったから」


そう言うと、靴を履きながらクスッと笑い、玄関から出て行った。


はぁっ⁉︎
今の…なんなの。
っていうか、誰なの。

何で私が見ず知らずの人に、いきなりヨシヨシされなきゃなんないの?

わけわかんない…不愉快過ぎる。

心臓が、バクバクうるさい。

私の中の感情のバロメーターは、完全に壊れてしまっていた。


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