強引同期が甘く豹変しました


7年、みんなそれぞれ、色々あった。


初めての社会人になった頃は、毎日必死で。
仕事を覚えるだけで1日があっというまに終わっていた。

慣れない環境。背負った責任感。
凡ミスもあれば大ミスもあった。

時々心が折れて、会社に行きたくない日もあったし、あったと思う。


上司の愚痴を言い合って、転職の話をしたこともあった。

残業続きで家と会社の往復。
そんな忙しい頃もあった。


でも、そんな毎日の中でも…恒例のこの同期会で、みんなで愚痴り合ったり、未来を語り合ったり。
悩みを吐き出したり、一緒に悩んだり。

ふざけて…思いきり笑って…みんなで絆を深めてきた。


年を重ねた分、私たちはそれだけ大人になったのかもしれないけど。

改めてそんなことをぼーっと考えていると、目の前にいる真木が、入社した頃に言っていたことと同じことを言ったのだ。


「ってかさー、何で俺彼女できないと思う?」


賑やかな店内の空気の中、真木はそう言いながら真面目なトーンで私たちを見渡す。


…やっぱ、訂正。

そこまで大人になれていないやつも…いる。


< 189 / 202 >

この作品をシェア

pagetop