聖夜の夜に…

変わっていく日常



12月10日。

あの日から1週間。

今日もサンタさんと話してから、

帰路に着いた。

「…ただいま。」

小さな声で言うと、当たり前のように誰からもおかえりは返ってこない。

思わず零れそうなため息を押し殺すと同時に、

カチャッ

暗い廊下に光が差した。

顔を上げるとリビングから体を出す、

白のカーディガンに膝下までのスカートをはいたお母さんとスーツ姿のお父さん。

「穂花、リビングに来なさい。」

お父さんの冷たい声に私は

「はい。」

そう返事をしていた。


リビングに入ると弟の駿が泣いていて…


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