青春ストーリー
遥稀君とアドレスを交換した次の日、私は亜弥ちゃんや今宮君ともアドレスを交換した。

その一週間後、亜弥ちゃんに友達ができたらしい。

「弥生ちゃんと小夏ちゃんっていうんだけど、二人ともさばさばとした子でね、放課後遊んだりはしないんだって。授業と授業の間で少し話すくらいなんだ。」

亜弥ちゃんにしては意外と浅い友達付き合だな、と思ったがこれぐらいがちょうど良いのかもしれない。亜弥ちゃん自身も、そう言った。

「私ね、新しい友達作ったら、朝柊や遥稀と一緒にいれないって、無意識に思ってたのかもしれない。だって、二人が放課後に遊んだりしないって聞いたとき、少しほっとしたから。」

そう言って苦笑いをした亜弥ちゃんは、ゆっくりと窓の外を見る。何を見ているのか気になって、私も外を見てみると、そこには肩を並べて帰る人達がたくさんいた。
やっぱり友達と一緒に帰るのが羨ましいのかな、と思い、様子を伺うように視線を亜弥ちゃんに戻すと、亜弥ちゃんは私の様子に気づいたようで、外の人達を指差しながら言った。

「友達って、あれぐらい一緒にいなきゃいけないと思ってたけど、別にそういう訳じゃないってこと、分かったんだ。あと、相手が友達だろうが何だろうが大事なのは一緒にいて楽しいってことも。まぁ、気づくのが少し遅かったっぽいけど。」

亜弥ちゃんはニコッと笑い、読んでいた本を戻しに行った。私は亜弥ちゃんが自分の気持ちを話してくれて、少し嬉しく感じた。
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