青春ストーリー
席を探し周りを見渡すと、窓際の後ろ側にある班にまだ班長しか座っていないことに気が付いた。光が差し込み、逆光で見えにくかったが、少し近づいてみれば、誰かはすぐ分かった。

「驚いた。まさか班長やってるなんて。」

私はそう言って遥稀君の向かいの席に腰をおろす。

「しょうがないじゃん?成績優秀者はつらいんだよ。」

頬杖をしながら、面倒くさそうに遥稀君は言った。そして一度ため息をこぼし、言葉を紡ぐ。

「しかも隣に来てくれる友達もいないし。朝柊達と一緒にいすぎたかもなー。」
「同じく同じく。」

遥稀君と同じように頬杖をつきながら、私は頷いた。
大体の席は埋まり、まだ立っているのは少しもめている三人組の女子と、座る席が決まらず漂っている男子二人だけになった。やがて漂っていた二人は、空いている席へむかい、一片は遥稀君の隣に座った。女子達も一番右側の子が、二人に向けて小さく手を振り、私の隣へきた。
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